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DC-145 Sonic Station 「Sonic Station」

2012年02月25日 21:03

sonic station



West-coast/AORミュージックはアメリカ・西海岸LAを中心に端を発する。AORという一つの様式美をもったそのサウンドは80年代初期に一世を風靡した。その中心的役割を担ったのが、ご存じDavid Foster(デヴィッド・フォスター)、Jay Graydon(ジェイ・グレイドン)、TOTO、をはじめとするLAのスタジオミュージシャンの集団だった。彼らは、確固とした技術力とアイデア、そしてスタジオミュージシャンとして培った多くの人脈によって、それまで単分化されていたジャズやロック、カントリー、ボサノバなどありとあらゆる幅広い音楽的範囲を包括しながら、ボーダーレスなミュージックを作り上げることに成功した。ムーブメントが去っても、現在に至るまで脈々と受け継がれるそうしたAORサウンドは良質な大人のミュージックとして、世界中に多くの愛好家たちがいる。21世紀に入り、AORのメインストリームはもはやAORのメッカだった西海岸L.A.ではなく、ヨーロッパ、特に北欧の地へと舞台は完全に移ったと言えよう。AORミュージックの新時代エポックがいま起こっているのだ。そんな中2012年になって早くも北欧スウェーデンから今後も期待できる強力な新譜が発表された。

本作Sonic Station(ソニック・ステーション)は、ギターリスト・コンポーザー、プロデューサーでもあるAlexander Kronbrink(アレキサンダー・クロンブリンク)によるプロジェクトで、4人のゲストボーカルを招いて、アルバムは構成されている。Sonic Station(ソニック・ステーション)の仕掛人であるAlexander Kronbrink(アレキサンダー・クロンブリンク)は馴染み名のない人物であるが、バイオによれば、スウェーデン・ストックホルムで生まれ、9歳の頃から父親のアコースティックギターを弾き始めていたという。本作のピアノを担当しているJonathan Fritzén(ジョナサン・フリッツェン)は近所の幼馴染でもあった。共にジャムセッションを繰り返してきた旧知の仲でもあった。Jonathan Fritzén(ジョナサン・フリッツェン)は、Smooth Jazz(スムース・ジャズ)でビルボード・チャートでもいくつかヒットの実績があり、その世界では知られたミュージシャンである。20代に入り、ミュージシャンとして研鑽を重ねていたAlexander Kronbrink(アレキサンダー・クロンブリンク)はさまざまな音楽ジャンルを志していたが、彼の音楽ベクトルを決定づけたのは、Lee Ritenour(リー・リトナー)だったという。

ご存じ、それまで凄腕フュージョン・ギターリスト、セッションミュージシャンだったLee Ritenour(リー・リトナー)は80年代初頭に「RIT」「RIT2」で、ボーカリストEric Tagg(エリック・タッグ)をフューチャーしてボーカル主体のAOR名盤を発表した。ギターリスト、セッションミュージシャンとしてだけでなく、作詞・作曲・コンポーザ・トータルミュージシャンとしての才能を開花させて他の同業のミュージシャンらとは趣を異にするミュージシャンだった。このようなLee Ritenour(リー・リトナー)の音楽性に影響を受け、Alexander Kronbrink(アレキサンダー・クロンブリンク)はSteely Dan(スティーリー・ダン), Kenny Loggins(ケニー・ロギンス), David Foster (デヴィッド・フォスター), Jay Graydon,(ジェイ・グレイドン)という、多くのAOR愛好家らもおそらく身に覚えのある道をたどって、AORへの扉が開かれたのだ。

地元の大学で音楽を学んだのち、本作でもボーカルを担当しているピアニスト&ボーカリストでもあるMarika Willstedt,(マリカ・ウィルステッド)と共に作詞作曲を行うようになる。本作に収録されている殆どの楽曲がMarika Willstedt,(マリカ・ウィルステッド)との共作曲で、彼女の作詞能力の高さをうかがい知ることができるが、何よりもそれ以上にボーカリストとしての資質の高さに驚かされる。女性のBobby Caldwell(ボビー・コールドウェル)とも噂されたMarilyn Scott(マリリン・スコット)を彷彿とさせるソウルフルな歌声は何よりも魅力的だ。さらに、他のボーカリストに目を向けると、Magunus Backlund(マグナス・バックランド)のクレジットが見受けられる、Magunus Backlund(マグナス・バックランド)といえば、北欧で2006年にソロアルバム『NEVER SAY NEVER』を発表し、メロディアスハードAOR愛好家の間で話題に上がった事のある人物で、北欧ポップ・グループFAME(フェイム)のボーカリストとしても知られる。

Sonic Station(ソニック・ステーション)結成前にAlexander Kronbrink(アレキサンダー・クロンブリンク)は
Moonlight Sailors(ムーンライト・セイラー)なるプロジェクトを立ち上げていた。このMoonlight Sailors(ムーンライト・セイラー)でバンドを組んでいた仲間がSonic Station(ソニック・ステーション)の母体ともなっている。Moonlight Sailors(ムーンライト・セイラー)はピアニスト・キーボーディストJonathan Fritzén(ジョナサン・フリッツェン)、さらにドラマーのAron Mellergård (アーロン・メルガード)、ベースのHenrik Linder(ヘンリック・リンドラー).らで構成されたバンドで、彼らはこのSonic Station(ソニック・ステーション)でクレジットされており、彼らは事実上のバックバンドなのだ。さらに特筆すべきは、Aron Mellergård (アーロン・メルガード)とベースのHenrik Linder(ヘンリック・リンドラー)の2人は最近Dirty Loop(ダーティ・ループ)なるファンクバンドを結成し、このサウンドがLee Ritenour(リー・リトナー)やJay Graydon(ジェイ・グレイドン)らに絶賛され、 Youtubeでも話題沸騰中なのだ。その楽曲はカバー曲であるが、そのあまりにハイテクニック・ハイグルーヴなサウンドは絶筆し難く、そんな彼らがこのプロジェクトを支えている。Moonlight Sailors(ムーンライト・セイラー)、Dirty Loop(ダーティ・ループ)ともにオフィシャル・ウェブサイトで楽曲を聴くことができるので参照されたい。特にBritney Spears(ブリトニー・スピアーズ)のカバー曲『Cirkus』のカッコよさはハンパではない。

Sonic Station(ソニック・ステーション)に話を戻そう。こうして、各クレジットを追っていくと、確固とした実力とセンスを持ち合わせ、インディーズとメジャーでいま最もホットな北欧のミュージシャンらによって、用意周到にこの作品が丁寧に作られてきたことがわかる。イントロの幻想的なインツルメンタルによって導かれながら、軽快で爽やかな『Love's Gonna Show the Way』を聴けば、多くのAOR愛好家は耳がくぎ付けになることだろう。

北欧の音楽シーンにおけるAORとしてのポテンシャルの素地は計り知れないものを感じずにはいられない。この地を掘り返せば一体どれだけの優れた楽曲、ミュージシャンが現われるのか、全く予想だにできない事態に今、直面している。

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