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DC-150 Boz Scaggs 「Middle Man」

2013年02月23日 00:07




Bobby Caldwell(ボビー・コールドウェル),Michael Franks(マイケル・フランクス),Ned Doheny(ネッド・ドヒニー) に続いてAOR4大ミュージシャンの一人として知られるBoz Scaggs(ボズ・スギャッグス)である。

何をもって4大ミュージシャンとするかはさておき、昔からNed Doheny(ネッド・ドヒニー)とこのBoz Scaggs(ボズ・スギャッグス)はどうにも、馴染めないものを感じていた。とくにその声である。どちらかというとこの二人は、声が裏返ったような、表現しがたいが、どうにもくすぐったいというか、酸味が強く、酸っぱい声質。生理的にとにかく声が好きになれなかったのだ。一方Bobby Caldwell(ボビー・コールドウェルとMichael Franks(マイケル・フランクス)については、その音楽性や声質には、とてもに心地よさを感じていて、両者のオリジナル・アルバムはすべて拝聴し、ライブラリーに保管されているが、前述の2人についてはBoz Scaggs(ボズ・スギャッグス)についてはベストアルバムと1980年前後の3枚のみ。Ned Doheny(ネッド・ドヒニー)については『Hard Candy』1枚のみで、殆ど聴いたことがない。

そんなBoz Scaggs(ボズ・スギャッグス)に初めて興味を示したのは、やはりよく聴いていたTOTOが彼のバックバンドから始まり、TOTO結成の切っ掛けとなったことを知ってからだ。1965年にソロキャリアをスタートさせ、BOZ(1965)を発表し、その後Steve Miller Band(スティーヴ・ミラー・バンド)のファーストアルバムに参加するもののの、実質的には殆ど無名なミュージシャンだった。しかしR&B嗜好の濃い作品をリリースし続けていた彼はクロスオーバーミュージックの時代の流れと新鋭なミュージシャン達と初めから決まっていたかと思えるような運命の出会いの機会に遭遇する。

それが1976年の『Silk Degrees』だった。自信と希望に満ちていた若きTOTOのメンバーらは、まだ10代かそこいらの悪ガキだったそうだが、彼らのミュージック・アビリティは溢れんばかりの創造性に満ちていた。TOTO旋風とも言える当時飛ぶ鳥落とす勢いは80年代後半まで続くことになり、多くのミュージシャンの名盤が彼らの技量に支えられることになる。『Silk Degrees』はビルボードチャートを駆け巡り最高2位までランクインする。シングル『LOWDOWN』ではグラミー賞において最優秀R&B楽曲賞を獲得する。

1978年TOTOが満を持してデビュー。時代はAOR全盛期へと突入する。1980年David Foster(デヴィッド・フォスター)、Jay Graydon(ジェイ・グレイドン)の2人がAirplay(エアプレイ)をリリース。Airplay(エアプレイ)&TOTO一派は当時のアメリカ・ミュージックを相当な範囲で席巻し幅を聴かせていた。そんな時代の申し子たちを結集して、1980年にBoz Scaggs(ボズ・スギャッグス)がリリースしたのがこの『Middle Man』(1980)だ。

Boz Scaggs(ボズ・スギャッグス)に苦手意識のあった私がこの『Middle Man』(1980)を初めて聴いたときの衝撃は未だに忘れることができない。気付けば何度もリピートして聴いていた。1曲目の「JOJO」のドラミングはJeff Porcaro(ジェフ・ポーカロ)によるものだが、このタイトで締りのあるドラミングプレイなくしてこの曲のグルーヴは生み出せない。そして、Steve Lukather(スティーヴ・ルカサー)のご機嫌なギターのリフで展開する2曲目の「Breakdown Dead Ahead」はドライブ感覚が絶妙で、まさにSteve Lukather(スティーヴ・ルカサー)
がレスポール・ギターをかき鳴らして飛び回っているのが目に浮かぶようだ。

そして、「Simone」。「タタッ♪」、「タタッ♪」、「タタッ♪」、というJeff Porcaro(ジェフ・ポーカロ)の十八番といえる特徴的なリズム・カウントがこの曲のグルーヴの基盤を支えている。そして、そこに雰囲気満点のエレピが間奏で鳴り響く。グルーヴィーな楽曲が立て続けに3曲続いた後、一気にしっとりとバラードを持ってくるところが本当に憎いとしか言いようがない。曲の出だしのピアノのタッチはまさにDavid Foster(デヴィッド・フォスター)お得意のバラードのタッチで、音の策士David Foster(デヴィッド・フォスター)の魔術師の所以を垣間見ることができる。そしてCarlos Santana(カルロス・サンタナ)の天下一品の鳴きのソロでフェイドアウトインする。

続く5曲目はタイトル曲「Middle Man」はもはやこれはTOTOの楽曲をBoz Scaggs(ボズ・スギャッグス)が歌っているだけと片付けても良い。そしてBoz Scaggs(ボズ・スギャッグス)らしい「Do Like You Do in New York 」を経て、再びグルーヴィーな「Angel You 」へ。「Angel You 」1曲で当時の典型的なAORのサウンドをすべて聴くことができると言っていいほど、内容の濃い楽曲だ。目の前が一気に開けるようなエレピで展開するこの曲は、ドライビング・ギターソロが駆け巡り、縦に刻むようなキーボード・ワーク、そして、「タッツタタッ♪」、「タタッ♪」、「タタッ♪」というリズミカルなハイハットに滝のようなピアノが錯綜する。聴き応え満点な楽曲である。

そして、再びしっとりなバラード「Isn't It Time」を持ってくる。ウォーターフロント沿いの海岸から夕焼けが沈む情景を思わせるような郷愁感を思い出せずにはいられないそんなバラードだ。ここぞというタイミングで鳴り響くギターソロは、きっと聴く者の胸を打つことだろう。

全9曲のうち6曲がDavid Foster(デヴィッド・フォスター)との共作で、とくに初めの5曲の流れは絶筆尽くしがたく、数多いAORの名盤の中でも最強といえるかもしれない。この5曲はやはりDavid Foster(デヴィッド・フォスター)だ。この作品には新鋭ミュージシャンが大挙参加しており、成るべくしてなった名盤といえるだろう。当時のTOTO&AIRPLAY一派の技術とアイデア・創造性のすべてこの一枚に力を込めたのではないかといえるほど力の入った隙のない作品である。本作のプロデューサーはBill Schnee(ビル・シュネー)である。録音技術は天下無敵である。Bill Schnee(ビル・シュネー)はSteely Dan(スティーリー・ダン)でも有名なプロデューサーである。当時、Bill Schnee(ビル・シュネー)はSteely Dan(スティーリー・ダン)の『AJA』(1978) や 『Gaucho』 (1980)の製作の時期と重なるため、Dan(スティーリー・ダン)の2人に半ば録音で軟禁状態?でかなり多忙であったのではないか冗談にも思うのだが。よくも本作の製作が行えたものだと思ってしまう。想像の域をでないが。


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