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DC-129 Marc Jordan 「Crucifix In Dreamland」

2011年03月20日 03:09

marc jordan



もともと作詞能力が高く、多くのミュージシャンによって彼の曲が歌われた。シンガーソングライターとして知られる人であった。どうしてもJay Graydon(ジェイ・グレイドン)がプロデュースした名作「Blue Desert」(1979)のイメージが付きまとってしまうのだが、むしろあの作品だけは例外作として位置づけてもいいのかもしれない。Marc Jordan(マーク・ジョーダン)のサウンドプロダクションは、ジャズをベースにした派手さのない、やや陰影な佇まいを醸し出しながらも、しっとりと聴かせる特徴がある。デビューアルバム「Mannequin」(1977)に見られたようなジャジーでタイトなアダルトコンテンポラリーなサウンドが彼の本質なのかもしれない。

Marc Jordan(マーク・ジョーダン)は1947年にニューヨークのブルックリンで生まれ、カナダではよく知られるシンガーそしてラジオ・パーソナリティでもあったCharles Jordan(チャールズ・ジョーダン)を父に持つ音楽を家庭環境にもち、カナダで育った。音楽趣向はBeatles(ビートルズ)を聴くよりBillie Holiday (ビリー・ホリデー)をよく聴いたと語っているようにジャズに傾倒していた。Brock University(ブロック大学)で映画を専攻したがすぐに音楽に転向。その後、Bobby Vee(ボビー・ヴィー)のバックでの演奏に参加して初めて衆目を集め、1974年にカナダのCBSレコードと契約しシングル"It's a Fine Line", "New York Kids", "Original Sin"を発表するが多くな成功には至らなかったようで、Billy Joel(ビリー・ジョエル)等のプロデューサーとしても有名なPhil Ramone(フィル・ラモーン)とコラボレイトしたとされるレコードがお蔵入りになってしまったのを契機にCBSを去る。

だが発表されたシングルが当時Steely Dan(スティーリー・ダン)のプロデューサーとして名をはせていたGary Katz(ゲイリー・カッツ)に魅せられて、Warner Brosレコードと契約して「Mannequin」(1978)を発表することになった。この作品はDonald Fagen(ドナルド・フェイゲン)をはじめ多くのミュージシャンが大挙参加して、WESTCOAST/AORの愛好家からも名盤として評価が高い。Steely Dan(スティーリー・ダン)周辺のミュージシャンが参加したMarc Jordan(マーク・ジョーダン)は一気に注目を浴びることになり、時代はAOR全盛期の追い風と共に、Jay Graydon(ジェイ・グレイドン)のプロデュースによって「Blue Desert」(1980)が生まれ、その後日本でのみの企画アルバム)「A Hole in the Wall」(1983)を発表した。

AOR/WESTCOAST色の強かった「Blue Desert」(1980),「A Hole in the Wall」(1983)の2作品は確かに名作だった。だがそれ以降、彼は徐々にジャズ色を強めていくサウンドに変化をしていくことが諸作品から伺うことができる。そんなMarc Jordan(マーク・ジョーダン)が、昨年の暮れにニューアルバム「Crucifix In Dreamland」(2010)をカナダでひっそりとリリースしていたことを、最近本人のHPを見て知った。どうやら世界的なプロモーションはしていないようで、カナダでのみのリリースに限定しているようなのだ。

これまで、Rod Stewart(ロッド・ステュワート), the Manhattan Transfer(マンハッタン・トランスファー), Joe Cocker(ジョー・コッカー), Cher(シェール), Natalie Cole(ナタリー・コール), Bette Midler(ベット・ミドラー), Bonnie Raitt(ボニー・レイット), Diana Ross(ダイアナ・ロス)等といった大物ミュージシャンへ多く曲を提供してきたMarc Jordan(マーク・ジョーダン)の作詞の質の高さには定評があった。この作品はそんな彼のシンガーソングライターとしての歌詞・曲の良さが非常に際立っている作品に仕上がっていると感じた。彼の一連のジャズ・アダルトコンテンポラリー作品群の中でも、随一の出来に仕上がっているのではないかと思えるほど、内容は充実していると感じた。派手さのないサウンドプロダクションは相変わらずではあるものの、この作品においてはピアノの音の響きに注目したい。しっとりとした佇まいが何とも言えないしんみりとした感覚となってグッと心に響いてくるだろう。音の数を減らして歌詞と曲の良さを際立たせるのが、Marc Jordan(マーク・ジョーダン)の音楽の特徴でもあるが、この作品では、彼の枯れた錆びのある声質は年を重ねて、なお渋みを増して囁いてくることだろう。Marc Jordan(マーク・ジョーダン)のHPで全曲を視聴することができる。




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